Archive Exhibitions
展示名
Pop Out Again.
アーティスト
Tetsuya Tamanoi
期間
2021年5月1日から
コンセプト
玉ノ井 哲哉は、1970年生まれ。
コンテンポラリーアーティストであると同時に、撮影用セットデザイン、立体造形なども製作する工房をもっている。
この世代は、日本のポップカルチャーの影響を強く受けていると同時に、アメリカ西海岸のカルチャーにも憧れをもったMTV世代だ。
日本には優れたエンタメコンテンツがある。
まずハリウッドで数多く映画化原作になったコミックがある。80年代からヨーロッパに輸出されているテレビアニメがある。
いまやNetflixが一角にスタジオを構える日本のメジャー映画スタジオ「東宝」が作ったゴジラや特撮映画。タランティーノが愛した東映の任侠シリーズがある。
それらの映画から無数のフィギュア玩具がたくさん発売され、いまでも多くの怪獣フィギュアファンが世界中に存在する。その玩具達を模した形状をポリエステル樹脂(Polyester resin)で制作し特殊な塗装方法で作品にした。また浮世絵で用いられたグラデーションをほどこして、新しい表現を実現している。
玉ノ井の発想は、それらのニッポンブランドに西洋のテイストをスパイスしたアートになっている。
前回展示の立体作品から新たに 4作品が加わって新しく展示される。
福田淳
作品紹介
新シリーズの紹介
Anonymous (Adam &Eve)
SNSという果実を食べた男女(アダムとイヴ)は、自己表現という知恵を手に入れたがそれと引き替えに匿名性を失ってしまう。それは自由か不自由か。現代の状況を表現した作品。
Appeared (Chocolate monolith)
「2001年宇宙の旅」に出現するモノリスを模した作品。
(チョコ板のサイズの比率はモノリスと同じ1:4:9)劇中では猿が突如現れたモノリスに触ることで人への進化が始まった。チョコレートをかじるという行為が子供から大人へ成長していくイニシエーションであるという表現。(超訳ですが)少し右寄りに板が寄っているのはさっきまでそこに人が居たというアンバランスな余韻。
Imagine (Cross cake)
一般的日本人の無宗教者から見た西洋文化の象徴である十字架とスイーツ。
他文化への羨望と理解しきれない宗教的概念を組み合わせて作品にする事で、何が見えるのか。キリスト教宗派の人が見た時に作品に何か宿るのか、それとも只のフェイクなのか。
Contrast (Chainsaw cake)
現代では可愛く甘く優しい象徴のような物であるケーキやスイーツ(甘味)。
しかし長い間特権階級のみが食べられるものであった。産業革命、植民地政策、奴隷労働など、人間社会の縮図の延長にある甘美な食べ物。その対比をアイロニーを込めて作った作品。
Gradation & Bokashi シリーズ
グラデーションの表現の素になっているのは浮世絵。 浮世絵は『ボカシ』を多用して空間を表現する方法を取り入れています。 それをアメリカでカスタムカーの塗装方法として定着しているキャンディカラーの技法と掛け合わせて作品を作りました。 日本の怪獣映画は、公開と同時にたくさんの塩ビ・フィギュアの玩具がたくさん発売された。その特殊な塗装方法を今回アート作品にもとりいれてみた。また、ギークが愛する怪獣映画は正義の味方と悪役の怪獣が戦います。わたしのアートも”対”として表現しています。
Crumpled & Drip シリーズ
この作品は、子どもがするような手法(垂らす、切る、貼る、削る、潰す)をもちいて造形しています。その結果、立体造形物が、塗料をとらすことによって、くにゃくにゃした作品に仕上がりました。スカルプチャーの形をクリアレンジで固めています。Claes Oldenburg、Robert Rauschenberg などポップアートに影響を受けた作品です。 人類も怪獣もみんな海からやってきた。その大事な海の上を軽々とムーブできるサーフ。東京からロスに渡ったわたとの作品をアメリカもみなさんも是非楽しんでください。
Tetsuya Tamanoi
1970年生まれ。 農協職員・仏具販売会社・クラブ(踊る方)のオーナーを経て
2000 彫刻、美術デザイン、造形の仕事を始める。
2008 現代美術作家としての活動を開始。
個展
2009 :「夢を見ない午後、、、」MORI YU GALLERY TOKYO
2012 :「空想世界遺産vol,1」MORI YU GALLERY TOKYO
コミッションワーク
2009「旅団エルメッチュ」メゾンエルメスウィンドウディスプレイ、東京